マクロ経済学(マネタリストの登場)

ここまで来て古典派経済学の世界が1929年の世界恐慌で発生している事象を
説明できなくなったことからケインズにより有効需要拡大政策での
不況の脱出というモデルが構築されました。
結果として欧州を中心に大きな政府が数多く作られ、その最たるものが
ゆりかごから墓場まで」の英国でした。
まあそれは政府の話なので今回はおいておいて
ケインズのモデルも1960年代に発生した失業インフレーションが同時に発生するという
事態を説明することができませんでした。そこでフリードマンを中心とするマネタリストが
登場します。


1:財政政策の無効性
フィリップス曲線の発見
名目賃金と失業率の関係をデータから取得して両者がトレードオフの
関係にあることを示した。
⇒失業率↓だと物価↑、インフレ抑制だと失業率↑
上記の論拠がケインズの有効需要政策批判の論拠となった。
自然失業率
摩擦的失業構造的失業から構成され総需要政策では解消されない
失業のこと。 

    ケインズの裁量的財政政策の無効性の主張。
    裁量的政策⇒貨幣錯覚を起こした労働者が労働を供給する。
    これにより非自発的失業者は減少するが。いずれ実質賃金が
    上昇していないことに気が付いてより賃金の高いところへ
    レイオフ(転職)を始める。 財政政策は短期的には失業を
     減らすが自然失業を維持したまま物価が上昇する。

2:公債発行による財政政策
 ・古典派のシナリオ
  公債発行による財政政策はクラウディングアウトを引き起こし無効になると主張
   公債発行⇒利子率(r)を引上⇒投資抑制⇒クラウディングアウト⇒所得変化なし
 ・ケインズのシナリオ
  クラウディングアウトは発生するが有効に機能すると主張
  公債発行⇒国民所得増大⇒利子率増⇒クラウディングアウト発生⇒所得増
  ※ケインズ派も中央銀行の公債買取はインフレ懸念から原則禁止している。
  
  ・フリードマンのシナリオ
   短期的には効果が上がるがやがて資産効果が起こり長期的には
   財政政策が無効となる。

マネタリストというんはケインズの政策の有効性は認めつつも、それは短期的な
均衡でしかないと指摘している。ただ是認できないのが、ケインズが失業を克服するための
手段を提示したのに対して、マネタリストは自然失業という概念で失業を減らすのを
市場にゆだねている点で問題があるとは思う。
まあ今は経済学とはこんなもんでっせという学習をしているので、そこまで気にしないで
先に進もう。

何とか明日でめどをつけたいところ。本日はこれまで。  

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